そろばん普及委員会
そろばんの基礎知識
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そろばんの産地

日本には、そろばん作りの産地が、島根県と兵庫県の2つが存在します。そろばんが日本に入ってきた頃には、長崎でそろばんが作られていたそうです。どのような経緯で島根県と兵庫県でそろばんが作られるようになったのでしょうか。

島根県の雲州そろばん

島根県での最初のそろばん作りは、仁多町の大工の村上吉五郎が地元島根県の樫と梅、すす竹を使い、自分の大工道具で作ったそろばんがきっかけとなりました。雲州では、日本刀を作る玉銅があり、そろばんの玉に使う、硬い木を切ったり削ったりする刃物が作られていたことから、そろばん作りがこの地に根付きました。

1985年には通商産業大臣指定の伝統工芸品になっています。雲州そろばんは、仁多町・横田町を中心に作られています。特に横田町のそろばんは、生産額で全国有数のシェアを誇っており、高級そろばんを作成する地として有名になりました。

国際的取り組み

島根県と横田町では、国際的にもそろばんの技術を広めようと、平成6年から、タイ王国でそろばん技術を指導しています。タイのロイエット地方を中心に、多くの中学生が横田町の指導でそろばんを学んでいます。

平成9年には、現地での指導者養成事業がタイの教育副大臣の目にとまり、教育関係者、教育省副大臣、事務次官、国立教育研究所所長などが島根県を視察に訪れています。また、タイの中学校教師を招いて、そろばんをどう指導していくかの研修なども実施されました。

現在でも毎年2名の先生を招き、珠算検定を受けて1〜2級の合格をして国に戻っています。『タイへそろばんを送ろう実行委員会』という機関もでき、まだそろばんが少ないタイへ、不要になったそろばんを送ったり、購入するための寄付を募っています。

2000円の寄付でそろばんに寄付した人の名前が刻まれ、タイに送られています。これは、タイでのそろばんでの計算の普及や、パソコンや電卓などでの日本においてのそろばん需要の低迷などを考慮しても、将来的に日本もタイもメリットがあることですので、大変良い活動だと思います。

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兵庫県の播州そろばん

豊臣秀吉天正年間の豊臣秀吉の時代、大津地方でそろばんの製造法を習得した兵庫県の住民は、地元小野市でそろばん作りを始めたのが播州そろばんの始まりと言われています。

当初は三木市中心に製造されていましたが、三木市周辺に伝わっていくに従い、徐々にその製造地は小野市へと移り変わっていきました。

雲州そろばんよりも9年前の昭和51年に、通商産業大臣指定の伝統工芸品に指定されています。生産量のピークは、昭和35年の360万丁でした。電卓やパソコンの普及によって徐々にその生産量も減少してはいますが、現在でも日本一の生産量を誇っています。

特筆すべきは、播州そろばんと並んで有名な雲州そろばんに使われている玉やヒゴ竹も、100%が播州で生産されて供給されていると言うことです。雲州で作られているそろばんですが、使われている材料の大半は、播州産ということになります。

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そろばんの製造工程

そろばんは、どのようにして作られていくのでしょうか。仕上がりまで100を超える工程があります。ここでは雲州そろばんの製造法を例に挙げて紹介していきます。

雲州そろばんの場合

雲州そろばんが出来上がるまでの製造工程は187工程にものぼります。ここでは全部の紹介ができませんので、ちょっと端折って紹介していきましょう。原料となる気は半年以上、自然乾燥されます。簡単に工程名だけで説明していきましょう。

原木を乾燥させ、粗く削って再度乾燥させます。口取りをして、中穴ざらいをします(玉に穴をあけること)。その後、仕上げ削りをして面取りをし、玉を染めて艶出しをします。ここまで作ってから、最終的に仕上げの穴ざらいをします。

荒竹を選別し、輪切りにして削り、荒しんこきをします。ここでもう一度選別され、表皮をはぎ、仕上げのしんこきをします。磨かれた軸を一定の長さに切って面取りをし、中桟ざしをします。

原木を乾燥させ、木取りをして選別します。小割りにして再度乾燥させ、くるい直しをします。この後、枠は各パーツに別れて書こうされていきます。

中桟

五玉と一玉を区切る枠になります。軸を通すための穴を開け、両面が削られます。上下セル貼りという工程を経て、長さを測ってきられます。その後、上下の面を仕上げ、最後に仕上げの穴ざらいをします。

上下枠

軸を受ける穴を開けます。長さを測って切ったあと、組み立てるためのホゾ穴を作り、裏版を溝くりしてから三角削りを施します。その後鳩目入れをし、内側を仕上げたあとに、仕上げの穴ざらいをします。

左右枠

長さを測って切ったあと、組み立てるためのホゾを作ります。角に丸みをつけ、溝くりをしたあとに内側を仕上げていきます。

裏板

磨いた後に長さを測って切り、くり板を作った後に面取りをします。

完成まで

これでそろばんに使うパーツが揃ったので、いよいよ組んでいきます。軸を枠に仮組みし、玉差しをしていきます。下枠を取り付けたら裏板をいれ、枠締めします。鳩目止め、裏棒止めをしたあとにトメ付きをし、中磨きします。その後、定位点を打ち込み、仕上げ磨きがされ、最終仕上げをして検査をし、検査が通ると完成品になります。

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